ご挨拶

少子高齢化を背景として,先進国の労働市場では人手不足感が強まっています。とりわけ運輸,物流,飲食,小売,建設,介護といった流通・サービス業の現場では,人間の五感(視覚,聴覚,触覚,味覚,嗅覚)に基づいた実務作業が行われますが,ロボットはビジョンセンサ(視覚)とせいぜい聴覚しか持たないために,これら非定常作業を代替する無人化システムの構築は困難であり,労働力不足が深刻な課題となっています。その中でも介護や物流現場のピースピッキングなど,非定型で多様かつ壊れやすい対象を安全に把持するためには,多数の触覚センサのロボット体表への高密度実装が求められますが,マルチセンサが取得する莫大なデータを省配線で高速に通信する手段がありませんでした。

東北大学・田中秀治研究室は,様々なセンサそれぞれに情報処理回路を集積して知性を付与することで,ロボットに実装した多数のセンサがその場(エッジ)でデータを取捨選択する「イベントドリブン通信システム」を提案し,専用LSIとMEMSセンサとの一体集積化素子を製造し,少ない配線数で必要十分な情報のみを高速で伝送するシステムの有意性を実証しました。このテクノロジーによって,ロボットは人に匹敵する感覚を獲得でき,作業の幅が大きく広がります。私たちはこの斬新で賢いセンサが新しい価値を創造すると確信し,東北大発のスタートアップ企業として,ロボット用触覚センサならびに関連するセンシング技術,ロボット技術をベースとした事業を展開する「株式会社レイセンス」を2020年1月31日に設立いたしました。

本事業において,LSIの製造とセンサの集積化に半導体製造工程を用いるため,大規模な量産時には生産コストの大きな低減が期待できます。一方で生産量が僅かである場合には素子の販売価格は割高になってしまいます。お客様に低価格で商品をご提供するために,株式会社レイセンスは本格的な事業化に先立って,集積化センサを大量に使う用途の開拓を進めます。ロボットへ皮膚感覚を与える切り札と位置付けられる「集積化(触覚)センサシステム」にご興味をお持ちのお客様は,是非ご連絡ください。潜在的なお客様にマルチセンサの「嬉しさ」を実感して頂くためのスターターキット(無償貸与)も準備いたしました。世の中の人手不足や単調労働・重労働に関する社会課題を一緒に解決してゆきましょう。

株式会社レイセンス
代表取締役社長 平野栄樹

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